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「……そういう、まっすぐなところ」2011-06-21

先日の すっげービックリしたこと で 書いてた
可南さらさ「左隣にいるひと」
小説Chara vol.24(徳間書店)

作者も言われてたが「地味」だけど、いい話だった。
大好物の「純愛」だしね。不快感、ゼロ!


中高生時代、いつも隣にいたふたり。
だが卒業を迎える頃、些細なことでケンカをしたことを境に、
5年間、お互いに連絡も取り合わないでいた。

社会人になった江沢(えざわ)は、早めの夏休み消化のため、
ひさしぶりに帰省する。
月明かりのなか、駅に迎えに来てくれたのは
そのかつての親友、生方(うぶかた)だった。

5年ぶりのふたりの再会は、謝罪、仲直りという以上の意味を持ち始める。


あくまでも普通の男、江沢。
非常にまともで、真面目で、まっすぐな性格。いわゆる好青年。
BLのキャラとしては他に形容が無いほどストレートだ。

一方、お人好しすぎて優しすぎる天然王子、生方。
不幸な家庭環境にもひねる事無く育ち、誠実で心優しい性格で、
周囲の癒し系だった。
 
10年来、心に秘めた思いを抱えていたのは、生方だ。
彼は優しすぎるが故、恋しい人と5年も接触を持たない。
何故なら……


……
少し困った様な笑顔で、生方は江沢に告白をする。
それは、長年抱えてきた自分の思いにけじめをつける為だけであって、
相手に受け入れてもらえるなんて、ほとんど思っていない。
相手を困らせる様な事態は望んでいない彼。
謙虚な、真摯な姿勢がとても好ましく思える。

そんな生方を江沢は真正面から受けとめ、理解しようとし、受け入れる。
そんな江沢の、まっすぐで男らしいところがとても良い。
あくまでも普通の男、江沢。それでも惚れる価値のある男だな。

江沢の「……そういう、まっすぐなところ」が
ずっと好きだったという生方。いや他にも好きなところがありすぎて、
逆に嫌なところはないそうだw なんて可愛い…。
健気な受…あれ?
生方は受じゃなくて攻??だな。健気な攻かー。はは、いいなーw
江沢も積極的な部分もあるから、色々試行錯誤ありそうだけど。
単行本化の際には是非、その辺の二人が読みたい。

いつまでも
お互いの右隣左隣には「彼ら」がいますように。


……
BLで、片恋する方のキャラに感情移入が出来、その恋愛相手にも
自然と好感が持ててしまうのが、良く出来た話…良作だと思っている。

可南さらさはそのあたり、とても上手だとおもう。
奇抜なキャラ設定も、詳細すぎる業界BG設定も無いのだけれど、
読了後、とてもいい気持ちにさせてくれるんだよなー。

挿絵は木下けい子。
もうあまりにぴったりな人選で、この作品がコミカライズされるとしたら、
この方以外には全く考えられん。ベストでしょ。

逆に、木下作品のノベライズだったら可南さらさがいいかもねw